日本の伝統衣装

伝統的な衣服「着物」

着物は日本の民族衣装です。古くから受け継がれる伝統的な手法によって職人の手で1つずつ丁寧に作り上げられる非常に奥深いものです。また素材や柄によって季節感を楽しめるのも着物の魅力で、着物の中には日本人ならでは和の文化が凝縮されています。

戦後の生活様式の変化、テレビなどのメディアの影響で、洋服への関心が高まり、一時は着物を着る人はどんどん少なくなっていきました。現在は普段の生活の中で着る機会は少なくなりましたが、結婚式、お宮参り、茶道などの大切な場面では現在も着物の出番はあります。

現代

手縫いの職人技術

着物を着ると動きに制約があるため、普段とは違う所作が求められます。言葉づかい、歩き方、座り方にも気を遣うことで、立ち振る舞いが美しくなります。
最近は着物を縫うのにもミシンが用いられるようになりましたが、基本的に和裁は全て手縫いです。先が細く同じ太さの針で一本糸で縫うため生地をほとんど傷つけないで済みます。
昔の人は、古くなった着物を解いて、部分を取り換え、繰り回して縫い変えていました。なぜなら着物は不必要な部分の布も縫い込んであるので、寸法を変えて縫い直しもでき、着物として着れなくなっても、解いて様々なものに作り変える事が出来ます。こういった着物の特徴は、再生、リサイクル、使い回しの物を大切にする精神が表れているのです。
祖母から母、母から娘へと、何代にも渡って受け継いでいくことができるのも着物のすばらしさです。